M&Aによる規模拡大が生き残りに不可欠
製薬業界は、2010年問題がキーワードとなっています。それは、新薬メーカーの特許が切れて、経営が悪化するのではないかという問題です。 欧米では2010年がその時期なのですが、日本では2~3年遅れでやって きます。
この問題を解決するためには、規模拡大と新たな事業展開が不可欠 です。このような経営環境のもとで、着々と業界再編が進行してきました。
2005年には山之内製薬と藤沢薬品工業が統合しアステラス製薬が、2007年には第一製薬と三共製薬が完全統合して第一三共が誕生しました。
日本国内 だけでなく、海外のベンチャー企業やインドのジェネリックメーカーを買収するなど、製薬メーカーでは、クロスボーダーM&Aも活発に行われています。
M&A買い手のメリット
- ①事業規模を拡大してスケールメリットが実現する
- ②開発人員等を数多く確保することが可能になる
- ③ジェネリック会社等の買収で製品ラインが拡充する
M&A売り手のメリット
- ①従業員の雇用を継続することができる
- ②大手優良企業の傘下に入るので安心である
- ③不振企業は清算を回避できる
製薬メーカーM&A動向
年度 | 売り手 | 買い手 | 形態 |
---|---|---|---|
2010年 | OSIファーマシューティカルズ(米国) | アステラス製薬 | TOB |
2010年 | 大日本住友製薬 | 日本ケミカルリサーチ | 事業譲渡 |
2009年 | 万有製薬 | 大鵬薬品工業 | 事業譲渡 |
2008年 | ミレニアム・ファーマシューティカルズ | 武田薬品工業 | TOB |
2007年 | 協和発酵工業 | キリンホールディングス | TOB |
2007年 | 三菱ウェルファーマ | 田辺製薬 | 合併 |
製薬メーカー業界では、上記以降もM&Aが続いています。
ポイント
M&A業界動向7「化粧品メーカーM&A動向」もご覧ください。
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