魅力的な市場を狙ってM&Aが盛んに実施される
これまで化粧品業界は比較的、景気に左右されにくく、不況に強い業界と言われてきました。しかし、長期化する景気低迷により、さすがに国内 売上・利益が低下してきています。
さらに、国内需要は飽和しているにもかかわらず、富士フィルムやサントリーなどの異業種からの新規参入も相次いで、 競争はさらに激化しています。
このような状況の中で、1つは海外に活路を求める動きが活発になっています。そして、もう1つはM&Aにより、新たなブランドを取り込んだり、 新規分野にスピィーディに進出するなどの動きが目立ちます。
化粧品は他業界から見ると、高収益で魅力的な業界であるため、今後もM&Aによる新規参入や業界再編が、さらに進行すると予測されます。
M&A買い手のメリット
- ①他業界からの新規参入がスピーディーに実現する
- ②新たなブランドや販路の開拓ができる
- ③研究施設や工場などを効率よく入手できる
M&A売り手のメリット
- ①従業員の雇用を維持することができる
- ②大手企業の傘下に入り経営基盤を強化できる
- ③不振企業は清算を回避できる
化粧品メーカーM&A動向
年度 | 売り手 | 買い手 | 形態 |
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2010年 | ヤマノホールディングス | 植木商店 | 事業譲渡 |
2009年 | ノイエス | ファンケル | 株式譲渡 |
2009年 | イオナインターナショナル | ゼリア新薬工業 | 株式譲渡 |
2009年 | コネクト | サントリー | 株式譲渡 |
2009年 | ハイマックス | スタイライフ | 株式譲渡 |
2008年 | アルマード | セシールス | 株式譲渡 |
化粧品業界では、上記以降もM&Aが続いています。
ポイント
M&A業界動向8「食品メーカーM&A動向」もご覧ください。
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M&A業界動向8|食品メーカーM&A動向
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