上位寡占度が未だ低くM&Aの動きが活発
日本では医薬分業の歴史が浅く、調剤薬局が台頭してチェーン企業が活躍し始めたのは、まだ最近のことです。したがって、調剤薬局の上位5社の総売上高の合計シェアは、まだ10%に達しておらず、これから成長する段階にあります。
そのために、上位調剤企業チェーンのM&A(買収)の意欲は非常に高く、各社が争ってM&Aを仕掛ける状況にあります。
一方、調剤薬局は社会的な存在価値が高く、薬剤師が担当しなければならない業務であるために、後継者が得られない中小の調剤薬局は、事業承継の手段として、M&A(売却)を活用する企業も多くなっております。
M&A買い手のメリット
- ①事業規模を拡大してスケールメリットが得られる
- ②門前薬局など有利な立地を確保することができる
- ③薬剤師の確保ができて人材が充実する
M&A売り手のメリット
- ①調剤薬局を継続できて患者に迷惑をかけない
- ②大手企業の傘下に入るので安心である
- ③不振企業は清算を回避できる
調剤薬局M&A動向
年度 | 売り手 | 買い手 | 形態 |
---|---|---|---|
2010年 | メディカル一光 | メディパルホールディングス | 資本提携 |
2010年 | アイケイファーマシーズ | 日本調剤 | 株式譲渡 |
2009年 | セイコー | ひまわり薬局 東邦ホールディングス | 株式交換 |
2009年 | ハイレンメディカル | ファーマライズホールディングス | 株式譲渡 |
2008年 | ファーコス | スズケン | 株式譲渡 |
2007年 | 阪神調剤薬局 | ヴァリアント・パートナーズ | TOB |
2007年 | あさひ調剤 | アインファーマシーズ | 株式譲渡 |
2007年 | ダイチク | アインファーマシーズ | 株式譲渡 |
調剤薬局業界では、上記以降もM&Aが続いています。
ポイント
M&A業界動向3「スーパーマーケットM&A動向」もご覧ください。
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