持ち株会社を中心に急速に上位寡占が進行
日本チェーンドラッグストア協会によると、2020年度の業界市場規模(総売上高)は約8兆363億円(対前年度比104.6.%)、店舗数は前年度より681店舗増えて2万1248店舗となりました。
2016年度以降、前年度比5ポイント以上の伸びをみせていましたが、2020年度は4.6ポイントと5ポイントをわずかに下回りました。
2009年6月に施行された改正薬事法の影響により、スーパーマーケ ットやホームセンター、家電店などが医薬品を取扱やすくなったために、 ドラッグストア上位企業は、強い危機感を持っています。
異業態への対抗策として、業界最大手のマツモトキヨシをはじめとして、上位企業はホー ルディングス会社の組織形態となりました。その上で、大手企業同士から中小企業までM&Aが活発に行われています。
M&A買い手のメリット
- ①事業規模の拡大によりスケールメリットが得られる
- ②新たなエリアの獲得によりナショナルチェーン化を目指せる
- ③薬剤師などの資格のある人材を含めて、人材の拡充が可能になる
M&A売り手のメリット
- ①従業員の雇用を維持できる
- ②大手企業の傘下に入って安心である
- ③不振企業では清算を回避できて、ハッピーリタイアできる
ドラッグストアM&A動向
年度 | 売り手 | 買い手 | 形態 |
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2010年 | イオン | CFSコーポレーション | 第三者割当 |
2009年 | サクラドラッグ | ツルハホールディングス | 株式譲渡 |
2008年 | 寺島薬局 | ウエルシア関東 | TOB |
2007年 | セガミメディクス | セイジョー | 合併 |
ドラッグストア業界では、上記以降もM&Aが続いています。
ポイント
M&A業界動向2「調剤薬局M&A動向」もご覧ください。
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M&A業界動向2|調剤薬局M&A動向
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