派遣法改正により経営環境が悪化しM&A加速
2010年に製造派遣を禁止する派遣法改正が国会に提出されたことにより、人材派遣会社を取り巻く経営環境が大きく変化しました。それまで、規制緩和による原則自由化により大きな発展を遂げてきた人材派遣業も曲がり角を迎えることになりました。
人材派遣会社は、比較的スケールメリットを得やすいために、大手同士のM&Aや、中小企業のM&Aなどが、これまでにも活発に行われてきました。
派遣法改正以降、特に中小の人材派遣会社の経営が非常に厳しい状況となるため、中小企業同士のM&Aや、大手企業の傘下に入る動きが加速されました。
M&A買い手のメリット
- ①事業規模の拡大でスケールメリットが得られる
- ②新たなエリアでの進出ができる
- ③専門分野の人材派遣など新分野を開拓できる
M&A売り手のメリット
- ①従業員の雇用を継続することができる
- ②大手企業の傘下で安定経営ができる
- ③好調企業は創業者利益を得、不振企業は清算を回避できる
人材派遣動向
年度 | 売り手 | 買い手 | 形態 |
---|---|---|---|
2010年 | エイアイジースタッフS | パソナグループ | 株式譲渡 |
2010年 | UBS | 三菱総研DCS | 株式譲渡 |
2009年 | JALビジネス | キャプラン | 合併 |
2008年 | スタッフサービス・ホールディングス | リクルート | 株式譲渡 |
2008年 | キャリアメイツ | リクルートスタッフィング | 株式譲渡 |
2007年 | ワイズHC | テンプスタッフ | 株式譲渡 |
人材派遣業界では、上記以降もM&Aが続いています。
ポイント
M&A業界動向19「美容院のM&A動向」もご覧ください。
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