上位寡占度が未だ低くM&Aの動きが活発
荷主であるメーカーや小売業が景気低迷でコスト削減に必死である状況を受けて、運輸・倉庫業界は、価格引下げ要求を突き付けられて厳しい対応を迫られています。
特に、規制緩和により新規参入が容易になったため、6万社以上が乱立して過当競争に陥っている中小物流会社は、値下げ競争により、収益力がかなり悪化しています。 また、物流子会社を持っている企業では、経営効率化の観点から、物流子会社を 売却する動きもあります。
物量減少や環境負荷軽減を目指した共同物流の動きもあり、新会社の設立も含めて、業界再編が急速に進められています。さらに経営環境が悪化すると見られる中小物流会社は、M&Aにより規模拡大を目指すことが生き残りの条件となっています。
M&A買い手のメリット
- ①新規顧客の獲得やエリア拡大ができる
- ②人材の核法ができる
- ③倉庫など設備の稼働率が高まる
M&A売り手のメリット
- ①従業員の雇用の維持が可能になる
- ②大手企業の傘下となりコスト削減ができる
- ③優良企業は創業者利益を得、不振企業は清算を回避できる
運輸・倉庫M&A動向
年度 | 売り手 | 買い手 | 形態 |
---|---|---|---|
2010年 | 日本通運 | 日本商事 | 事業譲渡 |
2009年 | 王子運送 | 福山運送 | 買収 |
2009年 | 西武運輸 | セイノーホールディングス | 株式譲渡 |
2008年 | 関東エアーカーゴ等 | 東海運 | 買収 |
2007年 | 国際フェリー | 両備ホールディングス | 買収 |
運輸・倉庫業界では、上記以降もM&Aが続いています。
ポイント
M&A業界動向13「不動産販売M&A動向」もご覧ください。
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