M&Aとは3|M&Aの歴史を簡単にわかりやすく解説

M&Aとは3|M&Aの歴史を簡単にわかりやすく解説

アメリカのM&Aの歴史

アメリカでは1800年代から、石油業界や鉄道業界などの規模のメリットを享受しやすい基幹産業を中心に、水平合併により競争相手を吸収し、巨大な企業を創り、高シェアを確保するというM&A戦略が展開されていました。

しかし、あまりにも極端な高シェア企業が誕生したことから、1890年にシャーマン法が制定されました。シャーマン法は、日本の独占禁止法に相当するアメリカ反トラスト法を構成する中心的な法律で、不当な取引制限を禁ずる第1条と、不当な独占を禁ずる第2条が主な条項です。

また、1914年に制定されたクレイトン法も、反トラスト法を構成する法律のひとつで、価格差別、抱き合わせ取引、排他取引等を禁止し、企業結合(合併)を制限しています。

1970年代になると、本業とはまったく無関係な業種の会社を買収して多角化するコングロマリットを目的としたM&Aがブームとなりました。しかし、経営資源が分散し、組織運営が困難なことから、やがてこのブームは下火に なりました。

1980年代になって、M&Aの様々な手法が開発されて、被買収企業の資産を担保にして資金を借り入れるLBOなどが実施されるようになりました。 買収した企業を切り売りして利益を獲得する手法も盛んに行われてハゲタ カファンドが横行したのもこの頃です。

1990年代以降は、M&Aは本業とのシナジーが厳しく問われるようになり ました。また、アメリカ国内だけでなく、国境超えたM&Aが盛んに行われるようになり、クロスボーダーM&Aが増えてきています。

日本のM&Aの歴史

M&Aというと、突然アメリカからやってきた新しい経営手法のような印象がありますが、実は日本でも昔からあった手法です。1970年には日本製鉄と富士製鉄が合併して、日本最大の新日本製鉄が誕生しました。

1971年には第一銀行と勧業銀行が合併して、第一勧業銀行が誕生しています。その後も、これらに類似した合併が繰り返されているのは、ご存知の通りです。

敵対的な買収でも、1952年に老舗百貨店の白木屋の株が買い占められたり、現三菱地所である陽和不動産株が買い占められたりした事例があります。 その後、小糸製作所の買収や、国際航業の買収などが起きました。

1997年の独占禁止法改正と1999年の商法改正以降には、ライブドア、 村上ファンド、楽天などによる敵対的な買収が繰り広げられました。

M&Aは紆余曲折を経て、着実に進化していますが、昔から今日に至るま で、経営戦略の要として極めて重要な手法であることは確かです。アクティ ブ・コンサルティングでは、M&A戦略の成否が、企業の存続を左右すると考えております。

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