市場縮小と製造コスト上昇でM&Aの動きが活発
少子高齢化が進行する日本では、加工食品の市場が縮小しています。 それに加えて、製造コストの上昇や物流コストの上昇が起きており、 景気低迷に伴う価格低下の圧力もかかり、苦しい経営を迫られています。
この状況を打破するためには、規模拡大による経営効率化、バイイングパワーの拡大、新商品開発、海外展開などへの取り組みが不可欠です。
このような経営環境の中で、規模拡大および良質な原材料確保を目指して、M&Aによる業界再編で、コスト削減を図る動きが活発になっています。今後、食の安全性に対する要求が益々高まるにつれ、海外も含めたM&Aが、さらに進行すると考えられます。
M&A買い手のメリット
- ①規模拡大によりコスト削減が可能になる
- ②商品ラインの拡充とブランド拡充ができる
- ③仕入れルート拡大と販路の拡大が見込める
M&A売り手のメリット
- ①雇用継続ができて待遇改善が期待できる
- ②大手企業の傘下に入るので経営が安定する
- ③不振企業は清算を回避できる
食品メーカーM&A動向
年度 | 売り手 | 買い手 | 形態 |
---|---|---|---|
2010年 | ハウス食品 | アサヒ飲料 | 事業譲渡 |
2009年 | サントリーホールディングス | ニチレイ | 事業譲渡 |
2009年 | ホッコク | セルフィユ | 買収 |
2008年 | 加ト吉 | 日本たばこ産業 | 買収 |
2007年 | カルピス | 味の素 | 買収 |
2007年 | ニチロ | マルハグループ本社 | 合併 |
2006年 | メルシャン | キリンビール | TOB |
食品メーカー業界では、上記以降もM&Aが続いています。
ポイント
M&A業界動向9|雑貨メーカーM&A動向もご覧ください。
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M&A業界動向9|雑貨メーカーM&A動向
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